先日、「あなたはなぜ『黒い服』を着るのか?」という本を読んで、心が動かされました。気づけば、仕事帰りに服を買いに行っていました。
そのお店には、以前も私に寄り添ってくれた店員さんがいました。何度も試着を繰り返して恐縮する私に、彼女は「今は空いてるからいいのよ」と優しく言ってくれました。前回お店に来たのは3月だったことを思い出しました。あの時も「着られる服がない」「黒ばかりだ」と思い、その店員さんに見立ててもらったんです。
あの時買ったアイボリーのスカートは何度か着ているけれど、上はまだ照れくさくて着られずにいます。でも、今回こそはと「黒以外の、きれいな色の服」が欲しいと足を向けました。
色が持つ「チカラ」に惹かれて
季節はもうすぐ秋。店内には暗めの服が多かったけれど、逆に夏ものが安売りされていました。色なんてただの布切れなのに、心が惹きつけられて。
黄色、きれいな水色、明るいグレー。
この4点を試着して購入しました。それぞれが持つ色の意味を知ると、なんだか不思議な気持ちになります。
黄色は創造性を刺激し、幸福感や楽観的な気持ちを高めてくれる。水色は心を落ち着かせ、リラックス効果がある。そしてグレーは、どんな色にもなじみ、調和の色。力が抜けてニュートラルな気持ちになりたい時にサポートしてくれる、私にぴったりの色だと思いました。
小さな「丁寧」がくれた幸福感
特に気に入ったのは、水色のシャツ。最後の1点で、ボタンが2つ取れていました。元値でも安かったのに、投げ売り価格になっていて、思わず「いいんですか!?」と心の中で叫びました。
でも、本当にこの水色が綺麗で、これを逃す手はないと思いました。ボタンを自分でつけ直そう。繕うという行為も、「きちんとしている」「丁寧な暮らし」という感じで、なんだか素敵に思えました。
今朝は、数ヶ月ぶりにハンカチにアイロンをかけました。水色の錨(いかり)がモチーフの夏っぽいハンカチ。アイロンをかけて、ぴしっと折ったハンカチは、気持ちがいいものです。昨日、ハンカチから色を取り入れてみようと思ったのも、これも「小さな一歩」なのかもしれません。
今の自分を少しだけ褒めてあげたい
黒い服しか着られなかった頃の私を、思い出します。あの時は、自分の存在や感情を消し去りたいと思っていたのかもしれません。
でも、こうして「色を取り入れたい」と思えるようになったのは、きっと心の感受性が少しずつ戻ってきたから。あの頃の私に「頑張って乗り越えてくれて、ありがとう」と伝えたいです。
完璧な答えは見つからないけれど、少なくとも今の私は、この悩みに向き合おうとしている。そんな小さな一歩を、こうして言葉にできたことだけでも、成長です。
あの頃よりよくなったね。
ほめられないときも、そうしてやったことを「やったね」「変わったね」と変化を認めてあげるだけでも心が安定します。
意識して言葉を使っていこうと思います。
それでは、また。